ゴミ屋敷の原因は人それぞれです。
自身の健康面により、身のまわりが出来なくなってしまった、忙しくて手につかないなど様々です。
特に多いのが精神疾患やセルフネグレクトなどでゴミ屋敷になってしまったケースが多くあります。
今回は、特に老若男女問わず増加しているセルフネグレクトの原因と対策について説明していきます。
目次
1. セルフネグレクトとは
『セルフネグレクト』という単語を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?
そもそもセルフネグレクトというものは何か、
そのまま訳すと「自身の放棄」、つまり自分自身の周りの物や自身に対しても無関心になってしまうことです。
セルフネグレクトになってしまうと、食事をしない、部屋が散らかっていても掃除や片付けをしない、さらにはお風呂に入ることすらしないなど、人としての基本の生活を送ることが出来なくなります。
セルフネグレクトとして、よく高齢者の方や認知症の方などが挙げられていましたが、最近では20代の若者も増えてきています。
若者の中でも、セルフネグレクトになり孤独死をしてしまったなどのケースもあります。
セルフネグレクトになると、社会とのつながりが薄くなります。
そこから日常生活への関心がなくなり、ついには人間関係すら拒絶してしまうことがあります。
身のまわりに気を配ることが出来ず、全てに対して閉鎖的になってしまうことからゴミ屋敷や汚部屋へ発展してしまうこともあります。
2. セルフネグレクトになる原因
セルフネグレクトになる原因はいくつもあります。
失恋をしてしまった、大切な人を失くした、精神的に辛いなどストレスが原因の場合もあります。
しかし、セルフネグレクトになる原因として4つの大きな原因があります。
では、大きな原因とは何かご説明していきます。
a.身体的な問題
特に高齢者の方で、病気を患ってしまい身のまわりの事を思うように出来ない、または後遺症や身体機能の低下などから日常生活がままならない方もいらっしゃるかと思います。
自身で片付けも食事もしたいと思うのに、体がついていかないなどからセルフネグレクトになりやすくなってしまうのです。
セルフネグレクト=だらしがないというわけではなく、意思はあっても出来ない、ままならないというケースもあります。
また、高齢者の方限定ではなくこの身体的な問題は世代問わず、どの年代でもあり得ることです。
「自分でどうにかする」と思い、周りのサポートを受けたくない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、このまま『セルフネグレクト』と呼ばれる状態のままにしておくと、ゴミ屋敷や汚部屋へと発展し事故やさらなる病気を引き起こしてしまう可能性があります。
もし、自力で難しいと少しでも感じたら周りにサポートを求めましょう。
また、もしこのような状態を見かけたら声がけをしてサポート受けやすい環境つくりをすることが必要です。
b.経済的困窮
最近では、若者の貧困問題が増えています。
新卒で入社した会社が低賃金、またはブラック企業で自身の思い描いていた仕事と違い、退職する方が増えています。
「次はしっかり選んで正社員になろう!」と思っても、在職期間や行っていた仕事内容などで正社員になるのが難しい場合があります。
そのため、アルバイトや契約社員、派遣などに転職することが多いのが現状です。
また、非正規雇用で入り低賃金などで生活をするのが難しくとも、辞めず我慢して働き続けなければなりません。
会社選びに失敗し、思うような生活を送ることができないことからストレスになり、次第には精神疾患を引き起こしてしまうこともあります。
そこからセルフネグレクトになってしまう20代の若者も少なくありません。
c.精神疾患
先ほども精神疾患について触れましたが、精神疾患によりセルフネグレクト化しやすくなります。
精神疾患の原因は様々ありますが、会社など人間関係に生じたトラブルなどから精神疾患を引き起こす人は少なくないでしょう。
また、人間関係のトラブルの中で自己嫌悪などからセルフネグレクトに発展しやすくなります。
自己嫌悪から、自身の存在価値、まわりから邪魔と思われているのではないかなど段々と気持ちに余裕がなくなっていきます。
この気持ちの余裕がなくなる、自身や自身以外の関心がなくなってしまえばセルフネグレクト化します。
この問題は幅広い年齢層に当てはまりますが、特に若者のうつ病、精神疾患は増えてきています。
3. セルフネグレクトはゴミ屋敷の原因
ここまでセルフネグレクトについてご説明しました。
ゴミ屋敷とセルフネグレクトは密接な関係にあり、こころの状態は部屋に現れます。
セルフネグレクトが進むことにより、ゴミ屋敷化し事故や災害、または健康を脅かす危険性があります。
ゴミ屋敷さえ何とかすればいいという問題ではなく、根本的なセルフネグレクトを直す必要があります。
しかし、直すといってもまずは自身がセルフネグレクトの自覚や疑いを持たなければなりません。
では、セルフネグレクトの予備軍の症状はいったいどういうものでしょうか。
前兆について次で詳しくご説明します。
4. セルフネグレクトの前兆
先ほどもご説明しましたが、直すためにはセルフネグレクトの疑いと自覚をしなければなりません。
ここではセルフネグレクト化、またはなりかけている場合の前兆をご説明します。
a.人に頼ることが出来ない
人に頼ることが出来ないのは、セルフネグレクトの前兆とも言えます。
前述の身体的な問題でご紹介しましたが、自力でなんとかするというのも人に頼ることが出来ないことになります。
前まではなんともなかったのに、人にお願いや助けを求めることが出来なくなってしまったなどは、無意識に他人を遠ざけてしまっている可能性があります。
b.コミュニケーションが減った
何週間も会話していない、日常会話ができていないとこころが不安定になります。
意図的に話さない場合も、コミュニケーションがないと気持ちが沈んでいきます。
なるべく会って会話をすることで少しでも不安や孤独感が和らぎます。
もし、会うことが難しい場合は電話をするなどをしてコミュニケーションを取りましょう。
近年ではインターネットが急速したことから、会わずに電話やメール、SNSなどで会話することができます。
便利な連絡ツールがある中で、最近ではインターネット上でのいじめや誹謗中傷などが増えています。
簡単にネガティブな情報が入ってくる世の中のため、特に若い世代がこれらによって精神的に病んでしまうことが増えています。
コミュニケーションを取ることが大事だとしても、自身のこころの状況にあわせて必要な対応を取りましょう。
c.ゴミが溜まってしまっている
セルフネグレクト化、セルフネグレクトの前兆としてゴミを出す頻度が少なくなり、部屋が散らかっていても気にしなくなります。
特に日常生活において発生する生ごみやペットボトルなどのプラスチックごみなどを溜めてしまいがちです。
気づいたらペットボトルが山のように積み重なっていた、部屋の中が生ごみの臭いで充満しているなどが起きてきます。
生ごみのにおいやゴミを放置することで、気づいたら虫が発生していた、ゴミ屋敷になって害虫や悪臭がたちこむようになってしまうかもしれません。
ゴミを溜める行為は、ゴミ屋敷化してしまう原因でもあるため、気づけば散らかっていただけの部屋がゴミ屋敷レベルまで進んでしまったということにもなりかねません。
最近ゴミのにおいがする、ペットボトルの量がやけに多いなどがありましたら、セルフネグレクトの前兆かもしれません。
5. セルフネグレクトにならないために
セルフネグレクトになることにより、自身の身のまわりの整理や、関心がなくなってしまい気づいたら病気になっていた、人が住むことが出来ないような状態になっていたなどになりかねません。
放置することで危険レベルが段々とあがっていきます。
セルフネグレクトは自身に悪影響を及ぼします。
では、セルフネグレクトにならないためには、どうしたらよいか紹介をしていきます。
a.部屋をきれいにする
セルフネグレクトの可能性がある場合、まずは部屋をきれいにしましょう。
セルフネグレクトは、身のまわりのことが出来なくなるためゴミ屋敷化してしまいます。
そのため、一度部屋をしっかりと片付けることが必要です。
ゴミ屋敷化してしまった部屋を一度リセットし、放置を防ぎましょう。
b.周りからのサポート
セルフネグレクトにならないためには、家族や周りの方からのサポートが必要になります。
例えば、物が捨てられずゴミ屋敷化、または使用していないものが多く処分をしなくなった、外出を異様に嫌がるなど…etc
このように、いつもと様子が違うと変化に気づくことが大切です。セルフネグレクトが悪化するにつれて、コミュニケーションやサポートを拒絶していく傾向があります。
悪化する前に早く対処し、セルフネグレクトの防止をしましょう。
c.相談窓口へ相談をしてみる
自治体によって様々な相談窓口がありますよね。
このような相談窓口を利用し、気持ちの整理や今後のことを相談してみるのも手です。
しかし、相談するといっても、まずは本人の自覚がなければ相談窓口へ連絡すらできないでしょう。
セルフネグレクトを自覚することが出来た場合は問題ありませんが、自覚が出来ていない場合は周りから案内をしてあげなければなりません。
6. ゴミ屋敷になってしまったら
ここまで、セルフネグレクトについてご説明してきました。
セルフネグレクトはゴミ屋敷化させる要因の1つです。
ゴミ屋敷レベルまでになってしまうと、人が通常の生活を送ることができなくなり、最悪は健康被害、事故などを引き起こします。
セルフネグレクトが進むにつれて、汚部屋からゴミ屋敷へと進化します。
ゴミ屋敷になってしまったからといって、もう何も出来ないというわけではありません。
一刻も早くゴミ屋敷から脱却しましょう。
では、ゴミ屋敷になってしまった場合、どうしたらいいのでしょうか。
解決策は主に2つあります。
解決策について詳しくご説明していきます。
a.自力で片付ける
「自力で片付ける」、文字通り自身でゴミの分別、処分、掃除をすることです。
掃除といっても一般的な片付かれた部屋を掃除するのと訳が違います。
溜まってしまったゴミを1つ1つ確認しながら、片付けを行わなければなりません。
適当に片付けをしてしまうと、大事なものを失くしてしまいますので、根気よく時間を取って片付けをしなければなりません。
また、自身で片付ける際は不用品の処分まで行います。
不用品の処分は、自治体に従って適切な処分をしなければなりません。
面倒だからといって適当に捨てたり、不法投棄などをしてしまうと処罰の対象になってしまいます。
片付けを自身で行う場合について詳しく知りたい方は「このままでは危ない!もしかして予備軍かも?ゴミ屋敷になった場合の解決策とは?」をご参考ください。
b.業者に依頼をする
ゴミ屋敷の片付けを業者へ依頼した場合、分別作業、処分、片付け、掃除まで行ってくれます。
短期間で行ってくれるため、早くても2時間~4時間ほどで片付けをしてくれますので早く片付けたい方にとってオススメです。
ゴミの量によって時間は変わりますが、自力で片付けを行うよりもはるかにスピーディに完了します。
自力で掃除、処分まで行うと3日~1週間、多い場合は1週間以上時間がかかってしまいます。
ゴミ屋敷の片付けは、体力面と精神面で非常に負担がかかるものなので、自力で片付けることが難しいと少しでも感じた場合は、無理をせず不用品回収業者やハウスクリーニングなどにお願いをしましょう。
しかし、業者へ依頼するとなると費用面が気になります。
ゴミの分別から処分、片付けをしてもらうとなるとそれなりの費用はかかります。
また、中には悪徳業者もいるため、業者選びは慎重にしなければなりません。
自分の希望に合った業者を選ぶためには、必ず見積りを取りましょう。
見積りを取ることで、サービスや費用を比較することができます。
各業者によって、サービス内容や費用は違うため、必ず複数社見積りをして選びましょう。
業者の相場、内訳や選び方について詳しく知りたい方は「ゴミ屋敷を片付けたいけど…なるべく費用は抑えたい!!業者へ依頼した場合のかかる費用とは?」をご覧ください。
7.まとめ
今回は、セルフネグレクトについて詳しくご説明しました。
セルフネグレクトと聞いて、自分は大丈夫だから問題ないというわけではありません。
セルフネグレクトになることによって、生活レベルが下がり最悪はゴミ屋敷問題まで発展してしまいます。
セルフネグレクトは他人事でありません、自分たちのすぐ近くに潜んでいます。
また、セルフネグレクト=だらしがないというわけではなく、やむを得ない状況から自身に対して無関心になってしまいます。
今回の記事でこの行動に身に覚えがある、または身のまわりで同じような人が居ましたら、対策をとり声をかけましょう。
もし、セルフネグレクトからゴミ屋敷まで発展してしまって、どうしたらいいかわからない、片付けたいけど片付けられないと思いましたら是非サントラストへご相談ください。
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