2021/08/05

大切な人のために。遺品整理の手順と気を付けるべきポイント。

大切な方がなくなられた後、遺品整理をするとなると少し気が引けてしまいますよね。
故人に気を使い、遺品整理をするのが遅くなるほど整理することが難しくなってしまいます。
自分たちで、「この時期から始めよう」と決めスケジュールを立てて行くことが必要です。
今回は、遺品整理の手順気を付けるべきポイントをご紹介していきます。

1.遺品整理とは

「遺品整理」と聞くと少し寂しい気持ちになりますよね。
遺品整理とは、その名の通り「故人が残した品を整理、処分すること」です。

そして、遺品整理の他に「生前整理」と言い「生きているうちに、死後のことを考えて、財産や身辺の整理をすること」と言われます。

生前整理は、今ではメジャーになっている終活の一種です。
生前整理を行われた場合、残された親族が仕分けなどをせず、故人の意思にしたがって遺品の整理、相続の分割をすることが出来ます。

しかし、生前整理を行わなかった場合は、親族が遺品整理を行います。
当然持ち主がいないため、遺族が処分するか、思い出の品、資産など仕分けの作業をしなければなりません。
そのため、最近では家族に迷惑をかけたくないと思い、終活を行う方が増えています。

 

 

2.遺品整理をする前に

遺品整理をする前に、まずやるべきことが大まかに2つあります。

①相続人の確定
②財産・資産の確認

これらの2つは整理をする前に、行うことをおすすめします。
2つの作業が終わってから取り組む方がほとんどです。

上記2つを行わなければならない理由として、遺品整理は相続税の申告までに行わなければなりません。

相続税の申告書の提出期限は10か月以内、その期間内で申告をします。
このように遺品整理をするためには期日があり、また大きな金額が関わってくる可能性があります。

相続税は誰もがかかるわけではありません。
以下の計算以上なければ相続税は掛かりません。
具体的な計算式は以下になります。

(財産)3,000万円+600万円×法定相続人の数

相続税については「遺品整理をする前に!相続税はいくらかかるの?相続税の申告の流れは?」で紹介をしています。

予め相続税の知識を持ったうえで、相続人の確定、資産の確認をするようにしましょう。

では、やるべきこと2つについて詳しく解説をしていきます。

 

a.相続人の確定

相続人の確定をする前に、まず遺言状の有無を確認しなければなりません。
この遺言状には、故人の希望が書かれています。
相続を誰にするのか、遺産はどのように分けるかを記載していますので、しっかり確認することが必要です。

相続人を確定する際に、まずは戸籍調査が必要になります。
そのため、被相続人の戸籍を集める必要があります。
とてもやるべきことが多いですが、これらの作業はしっかりと行いましょう。

Q.そもそも、なぜ相続人を確定しなければならないのか?
相続人を確定をしなければ、単純承認で財産、負債も全て相続することになります。
もし、財産よりも負債が多かった場合、相続放棄や限定承認をしなければなりません。
そのため、相続人の決定とともに負債がどれだけあるかの確認もしておきましょう。

 

b.資産の確認

資産として挙げられるものは固定資産である不動産、預貯金、株式、有価証券、または個人の貸し借りなどの流動的資産があります。
貴金属などの高級品、骨董品などは遺品整理の際に見つけることができますが、予め不動産など預貯金、有価証券等は確認しておきましょう。

不動産調査は固定財産評価証明書の取得、株式は株主の名簿に被相続人の名前があるか調査をしましょう。
有価証券に関しては、証券会社が発行した取引残高報告書があれば照会してみてください。
また、資産が確認できたとしても相続人が決定するまでは換金はしてはいけません。
換金することで、相続放棄を希望しても放棄することができなくなります。
しっかり注意をしましょう。

 

 

3.遺品整理の流れ

やるべき2つの項目を終え、いざ遺品整理をします。
しかし、遺品整理をする上でどこから手を付けていこうか漠然としてしまいますよね。
また、故人の遺品を扱うとなると、「本当に整理していいものなのか…」と思ってしまいます。
ここでは遺品整理をする際の流れと大事なポイントもご紹介します。

 

a.遺品の仕分け

まずは遺品を3つのグループに分け、それぞれの遺品の対応をしていきます。
しかし、故人を思う気持ちから整理することに億劫を感じてしまうかと思われます。
その場合は、以下のステップを参考にスケジュールしてみてください。

①換金できるもの
②形見、思い出として残すもの
③処分、不用品回収・買取

これらのグループ分けをし、遺族間でのトラブルがないように気をつけ、故人の意思を尊重し気を付けて仕分けをしていきましょう。

①換金できるもの

2-b資産確認でも述べましたが、まずは換金できるものを分けましょう。
有価証券、株主、預貯金の確認もお忘れずに、確認しておきましょう。
換金できるものとして、貴金属のアクセサリー、宝石、骨董品や美術品などの価値があるもの高値がつきやすいです。
中には思い出として分類されるものはありますが、財産および資産として含まれるものもあるため、しっかりと見定めするようにしてください。

②形見、思い出として残すもの

形見、思い出として残すものはアルバムや写真などが多く含まれるでしょう。
また故人が愛用して身に着けたもの、時計やネックレス、眼鏡。
また趣味として持っていた本、カメラなど様々な物が出てくると思います。
大量に思い出として残してしまうと、収納や保管の仕方で困ってしまいます。
そのため、ご遺族の中で無理がない程度に形見として引継ぎ、または思い出としてどれを残すのかも話し合いましょう。
換金可能でなものであればリサイクルショップなどに買取してもらうことも出来ます。

③処分するもの

①、②の作業が終わり仕分けが完了したら、後は処分するものになります。
使用可能ではない年季の入ったもの、廃家電や家具は規定のルールに従い処分を行いましょう。
また、①、②に該当しないものは処分していきましょう。
細々としたもの(雑貨、書籍、日用品)などは今後も使用するか、しないかでテンポよく仕分けすると迷わず処分することができます。

b.処分・不用品回収、買取

仕分けを終えたら、不用品の処分のステップに入ります。
処分するものは3-a-③で述べましたが、主に処分するものとして家電、家具などのものがあがると思います。

これら2つの物は粗大ゴミとして出すか、不用品回収業者に回収を依頼しましょう。
業者へお願いする場合はコストは多少かかりますがスムーズに行ってもらえます。
自身で粗大ごみとして出す場合は、市区町村で規定されたルールに従いましょう。

また準備するものもあるため、予め自身で処分するか業者へお願いするか事前に決めておくことをおすすめします。

不用品回収業者に依頼する際の注意点、流れは以前の記事でまとめています。
依頼用途は違いますが、参考にしてみてください。
ゴミ屋敷清掃の前に!不用品処分の流れと注意点

また、使用可能な家具、家電であればリサイクルショップへ持っていき、買取をしてもらうことが出来ます。
リサイクルショップへ持ち込みが難しい場合は出張買取に来てもらうことが出来ます。
仕分けが完了してから、自分たちの意向に沿った処分を決めましょう。

 

c.遺品の供養・お焚き上げ

遺品の供養・お焚き上げは四十九日を終え、遺品整理と同じ時期に行うことがほとんどです。
遺品の供養は、遺品に込められている故人の魂を抜くことを言います。
特に、魂が込められていると言われるもの、故人が愛用していた眼鏡、寝具など身に着けていた物などが該当します。

遺品の供養は絶対に行わなければならないという決まりはありませんが、故人をしのぶことにつながります。
遺品の供養は、現地供養、合同供養の2種類があります。
現地供養は、故人が住んでいた家に僧侶が供養を行うことです。
合同供養は供養したいものをお寺に預けて、他の方と合わせて供養をしてもらう方法です。
一般的に故人のお墓があるお寺にお願いをしますが、元々故人が進行している宗派があればそこで供養することができます。

しかし、遺品供養と遺品整理を同時で行うとなると大変ですよね。

「同時に進めていくのが大変」
「同時にやり取りをしていく手間をなくしたい」

と思われましたら、遺品整理と遺品供養を同時に行ってくれる業者に依頼することをおすすめします。
業者によって、お焚き上げを安くまたは無料で行ってくれるところもあります。
自分たちの時期、または納得のいく方法で行いましょう。

遺品供養については「このまま処分しても大丈夫?遺品整理において遺品の供養は必要?」で詳しく解説をしていますので、是非ご参考ください。

4. 業者に遺品整理を依頼

自分たちだけで遺品整理、遺品の供養は大きな負担になります。
さらに、お仕事が忙しい方やなかなか時間を多くかけることが難しい方も中にはいるかと思います。
故人の思いを尊重しつつ、自分たちが無理をせず行うことが大切です。
もし難しい場合は、無理をせず専門の業者へ依頼をしましょう。
ここでは遺品整理の業者へお願いする際の流れとポイントをご紹介します。

 

a.見積り・打ち合わせ

見積り、打ち合わせ時に遺品の数、ご供養する遺品の数によって金額が変わります。
数によって対応する人数も決まるため、見積りは必ず訪問での現地見積りをしてもらいましょう。
実際に見てもらうことで、具体的な金額を出すことができます。

また、悪徳業者に当たらないためにも複数社の見積りをだしておきましょう。
不用品回収業者と同様に、遺品整理を行う業者の中には多額の見積りを出してくる、作業完了後に請求金額が増額しているなどのトラブルが多々あります。
故人のためにも、しっかりと対応してくれる業者を選びましょう。
悪徳業者に引っかからないために、見極めるポイントと業者へ依頼する際の注意点を「片付けられない。遺品整理を業者へ依頼したいけど不安。依頼するメリットと注意点 。」に詳しく紹介しています。是非参考にしてみてください!

 

b.実作業

見積りと契約が完了後、日程を調整し実作業になります。
実作業は業者の方が行ってくれるため、何日も掛かってしまう作業をスムーズに行ってくれます。
しかし、業者にお願いするとなっても大事な人の遺品のため不安が多少残ります。
遺品整理の業者によっては、事前に仕分けをしたものを回収してもらうこともできます。
打ち合わせの際に、当日の実作業の相談をしておきましょう。

 

c.お支払い

作業完了の確認をした後に、清算になります。
しっかり確認をしておきましょう。
また、万が一追加料金が発生差ざる負えない場合があります。
見積り時にしっかり追加オプションを確認しておきましょう。
故人とご遺族のための遺品整理のため、トラブルが発生しないように予防できるものはしておきましょう。

 

 

5. まとめ

今回、遺品整理についてご紹介しました。
遺品整理はご遺族と亡くなられた故人のためのものです。
相続や財産・資産、そしてご供養などやるべきことはたくさんあります。
これらをしっかり行わなければ、後々トラブルになってしまう可能性があります。
正しい知識を身に着け、遺品整理をしましょう。

また、遺品整理の際に相続や不動産の悩みが出てきます。
株式会社サントラストは相続や資産運用を得意とする不動産会社です。
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